キマイラギターズ・マガジン

YouTubeチャンネル「キマイラギターズ」の別館。

Fender JAGUARについての解説。

どうも、岩井です。

 

Fender JAGUAR

格好いいですよね。

でもイマイチ持っている人は少ない。

 

見るからに複雑なスイッチ類や

明らかに特殊な形状から

「なんか難しそう…」

と漠然と敬遠している方が多いのではないでしょうか?

 

と、いうことで今回はJaguarについて解説していきます。

 

 

歴史

Jaguarの歴史というよりはFender社の様々なギターのリリース年から見ていきましょう。

 

1950 エスクワイア、ブロードキャスター登場

1951 テレキャスター登場

1954 ストラトキャスター登場

1958 ジャズマスター登場

1962 ジャガー登場

 

1975 ジャガー生産終了

1980 ジャズマスター生産終了

 

1999 ジャガージャズマスター復刻

 

1958年にストラトキャスターの上位機種として登場したジャズマスター

そして1962年にそのさらに上、最高機種として登場したジャガー

 

いずれもジャズ等の音楽ジャンルで使用されることを想定して作られたモデルですが

その後、音楽シーンではパンク、ハードロック、メタルが流行。

なのでこれらの非力なギターに人気が出ることはありませんでした。

 

ということでジャガーは13年、ジャズマスターは22年という製造期間をもって生産終了してしまいます。

 

しかし1999年に復刻されています。

その背景はというと、90年代のオルタナブームがあります。

当時オルタナグランジ、エモ、シューゲイザーニューウェーブ等のジャンルが流行し

元々はマニアックなジャンルだったためそれらを演奏するミュージシャンは当時お金を持っていませんでした。

なので不人気で安く売られていたジャガージャズマスターを使うようになり、その独特なサウンドが後に流行することになったということです。

 

Dinosaur Jr.のJ・マスキスも

ストラトを買うつもりだったが高かったからジャズマスターを買った」

と語っている動画がありましたし

Nirvanaのカートコバーンも新聞広告で安く売り出されていたからジャガーを買ったそうです。

 

彼らのおかげで今も新品でジャガージャズマスターが手に入るわけですから

皆さん感謝しましょう。

 

尚、これらはFender USAでの話。

USAでは生産されていなかった時代でもFender Japanでは生産していた時期があります。

 

ちなみに僕は1995年産まれなので同い年のジャガーを手に入れるという夢は決して叶うことはありません…

 

仕様

今では圧倒的にジャズマスターの方が人気機種ですが本来は

ジャズマスターが上位機種

ジャガーが最高機種

だったということは、ジャガージャズマスターよりも優れているポイントがあるわけです。

 

まず一つに

 

「メタルプレートが格好いい」

 

格好いいんです。

ギターにおいて「格好いい」とは正義です。

「音が良くてダサいギター」か「音が悪くて格好いいギター」なら

皆さんはどちらを選びますか?

 

僕は格好いいギターを選びます。

 

その他にも

 

ジャズマスターはPUの切り替えを3wayスイッチで行いますが

ジャガーはスライドスイッチでそれぞれをON-OFFします。

そして更にローカットスイッチが装備されており、これは完全にジャガーだけの機能です。

ファズなどをかけて思い切り歪ませたときにこのローカットをONにすると、なんともスカッと気持ちの良いドライブサウンドが得られます。

 

更に

ジャズマスターは21フレットまでなのに対し、ジャガーは22フレットあります。

つまり出せる音が高温側に1つ多い訳です。

これはかなりのアドです。

僕の場合ソロなどで22フレットまで使い切ることも少なくないので、これは譲れないポイント。

 

その他の基本的な仕様について解説していきます。

 

まず1つ大きな特徴として

「ショートスケール」であるということ。

ブリッジ~ナット間がストラトテレキャス、ジャズマス等ロングスケールのギターの場合で648mm

ジャガームスタングなどショートスケールのギターで610mmです。

丸々1フレット分短いという感じですね。

 

なので複雑なコードを押さえやすかったり、テンションが弱いので弦が切れにくかったりするわけです。

 

チューニングが安定しにくかったりオクターブチューニングも若干甘くなってしまう点はありますけどね…

 

ジャガージャズマスターに搭載されているトレモロユニットは

フローティングトレモロ」と言います。

勘違いされがちなのですが、ストラトについているのは「シンクロナイズドトレモロ」です。

シンクロナイズドトレモロのセッティング方法に「フローティングセッティング」というのがあるので勘違いしている人が意外と多いです。

ちなみにムスタングについているのは「ダイナミックトレモロ」と言います。

 

なぜフローティングトレモロという名前が付いているのかというと

ブリッジがボディに固定されておらず、弦のテンションでアンカーに押し付けられているだけの状態になっているためです。

そのおかげでアーム操作をした時にブリッジが弦と一緒に揺れるためチューニングが狂いやすい、という触れ込みですがズレる時は普通にズレます。

 

最高機種(笑)

 

そして「プリセット」

6弦側ホーンのメタルプレートについているスイッチ類のことです。

このスイッチをオンにすると1弦側のコントロールをすべて無視してフロントPUに切り替わり、専用のボリューム、トーンで作ったサウンドに切り替わります。

コンデンサの値なども違うため、普通にフロントPUを鳴らすよりも甘く柔らかいサウンドになります。

 

 

ジャガーのPUについてですが、通常のシングルコイルを左右から挟む金属板のようなものが付いています。

この金属板を「ヨーク」と言います。

このヨークは磁界をなんやかんやして音をええ感じにする

みたいな意味があるそうですが、むしろ雑味を増している気もします。

ハウリングもしやすくなります。

 

でもそれでいいんですよ。ロマンですロマン。

 

ジャガーを使うギタリスト

Nirvana Kurt Cobain

言わずと知れたカートコバーン氏。

彼に影響されてジャガーを手に取ったという人も少なくないと思います。

しかし、彼のジャガーはかなり改造されており

リアPUはDimarzio Super Distortion

フロントPUはDimarzio PAF

セレクターは3wayトグル

ブリッジはT.O.M.

もはやジャガーの音はしていません。

でも格好いいからいいんです。

 

ちなみにそれらの改造はカートコバーン本人によるものではなく

中古で入手した時点であの状態だったそうです。

どの時代にも魔改造野郎はいたんですね。

 

NUMBER GIRL 田渕ひさ子

田渕ひさ子さんと言えばジャズマスターのイメージがありますが

実はジャズマスターの前はジャガーを使用していたそうです。

NUMBER GIRLの初期の作品はジャガーだったとか。

自身でもちょいちょい改造していたそうです。

 

イマイアキノブ

ROSSOやThe Birthdayで演奏していたギタリストです。

正直僕は彼のサウンドに憧れてジャガーを買いました。

ROSSOのアウトサイダーや、The BirthdayのAlrightのソロは鳥肌物のジャガーサウンドです。

絶対に聞きましょう。

今の活動では主にストラトを使用されているようです。

 

THE PINBALLS 中屋智祐

ジャガー以外のギターを持っている姿を見たことがありません。

おそらくヴィンテージの物を使用しているんだと思います。

めちゃくちゃいいギタリストです。

 

羊文学 塩塚モエカ

ジャガーにビッグマフとリバーブ

大正解の使い方をしてらっしゃいます。

 

nano.RIPE きみコ

すみません。全然詳しくありません。申し訳ない。

 

終わりに

最後に岩井が所持しているジャガーをざっくり紹介します。

1963年製

ピックガードが割れています。

リアPUカバーも割れています。

塗装がズタズタです。

でも最高に格好いいです。

 

購入した時点でフレット、ナット、ペグ、一部スイッチが交換されており

ブリッジもムスタングの物になっていました。

 

しっかりメンテナンスしながら使い込まれてきたようです。

ネック裏の塗装ももうほとんどありません。

 

でも最高!

 

最高最高最高最高最高最高~~~~!!!!!!!!!

 

以上です。